【ジェネリック医薬品の意義と役割】
「21世紀の医薬品に関するあり方に関する懇談会」 (平成4 (1992) 年6月、厚生省薬務局) においてジェネリック医薬品 (後発品) の意義は次のように示されました。
”後発品のメリットは何よりも価格が安いということである。 わが国は本格的な高齢化社会を迎え、国民医療費の増大が予想される中で、後発品は低価格の医薬品供給を通じて国民負担の軽減に資するであろう。 また、後発品は医薬品市場の競争を促進し、医薬品価格の抑制に寄与するというメリットを有している。”
このように、ジェネリック医薬品は、 「国民視点の医療」 に向け、大きな役割を担っていくものと考えられます。
【ジェネリック医薬品の有効性と安全性】
新薬には承認後、有効性・安全性の再確認が義務づけられる再審査期間 (原則6年間) が定められています。 また、この期間については独占的販売が認められています。 再審査が終了したのち、同一有効成分のジェネリック医薬品の製造販売が可能となります。
ジェネリック医薬品は、 「規格及び試験方法」 、 「安定性試験」 、 「生物学的同等性試験」 の項目で審査され、新薬と同等であることを示すことで承認されます。
1.ジェネリック医薬品の原薬及び製品の 「規格及び試験方法」 については新薬と同等か同等以上であることが承認の条件となっています。
2.「生物学的同等性試験」 はジェネリック医薬品と対応する新薬を同じ健康成人に期間を置いて交互に服用させ、その血中薬物濃度推移が同一であることを確認する試験です。 生物学的同等性が確認できれば臨床現場における有効性と安全性が新薬と同等であることを実証することができるとされています。
【ジェネリック医薬品の開発費と薬価】
ジェネリック医薬品は新薬の長年にわたる臨床使用経験 (有効性・安全性等) を踏まえて開発・製造されます。 ジェネリック医薬品は新薬に比べ実施する試験項目が少ないため、開発費が少なく、低価格での提供が可能となります。
ジェネリック医薬品の薬価収載は、現状では毎年一度7月に行われます。 初めて収載される場合には新薬の薬価に 0.7 を乗じたものとされています。
既に他メーカーのジェネリック医薬品が収載されている場合は、最も低い薬価のものと同薬価になります。 また、新薬の薬価の2割を下回るものはその加重平均値に調整幅を載せた価格を薬価とし、 「一般名収載品」 として収載されます。